「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
『遠野物語』は、佐々木喜善の語るところを柳田國男が文章化したもの。しかし『遠野物語拾遺』は、佐々木が柳田に書き送った原稿を、鈴木脩一が文章化したもの。成り立ちが異なります。当然文体が違い、分量そのほか様々異なりますが、併せると光沢を帯びた遠野の民俗世界が見えてきます。その漆黒を深堀りしてみたい。
<テキスト>
柳田國男著『新版 遠野物語 付?遠野物語拾遺』角川ソフィア文庫 本体520円+税
ISBN-10:4043083203
ISBN-13:978-4043083206
※テキストは各自でお買い求めいただき、講座時にご持参ください。
各回テーマ
(1) 『遠野物語』と『遠野物語拾遺』-組み立て方の違い-
(2) 『遠野物語』に見る取捨選択の方法
(3) 柳田國男の擬古典文-どのように書き、何を主張したのか-
(4) 鈴木脩一の『遠野物語拾遺』-「書かれた」語りの素材-
(5) 「広遠野譚」によって遠野の民俗はどう捉えられ、語られることになったか
(6) エスペラント(国際語)を介しての、柳田?佐々木?宮沢賢治
講師紹介
専攻:日本社会文化論/日本常民文化論/日本文学
成城大学名誉教授。民俗学的日本文学bet36体育在线法を取り入れ、『異形の古代文学』『古代文学の主題と構想』(2000年度高崎博士記念賞)を出版。『民俗と文化の形成』『古代のコスモロジー』(共著)を出版し、コスモロジーの問題として日本の古代が現代とも通底していると主張。また中国「杭州大学」「北京外国語大学」等で日本語学、日本文化史の客員教授を兼務。