2022年12月23日（金）、初年次キャリアデザイン科目「プロジェクト演習〈ホスピタリティとサービス〉」の活動成果発表会を、学内ラーニングスタジオにて開催しました。

　本科目では「ホスピタリティ」を、職業人?世界市民としてのおもてなし?思いやりと広義に捉え、ビジネス現場だけでなく「よく生きていく」ための在りよう（Being）を、知識（Knowing）と実践（Doing）を通して追究していきます¹⁾。授業15回の前半にはゲストスピーカー5名のライフ?キャリアストーリーを聴き、授業後半は学生たちがチームでホスピタリティの現場を訪問し実践者にインタビューを実施しました。終盤には、ゲストスピーカーとインタビュイー計6名を招聘し、ポスターセッション形式で活動成果を発表しあい、各々の「ホスピタリティ」の持論を語りあいました。
　学生たちは、インタビュー先を自ら選定し、森の中にあるウエディングホール、グローバルに展開しているラグジュアリーホテル、テーマパークに隣接する大規模ホテル、犬猫保護?譲渡施設、接客?ジェンダーを専門とするbet36体育在线者、イベント?エンタテイメントのプロデューサーに各々アポイントをとり、学外実習に臨みました。
　学生は、授業で学び得たホスピタリティを自らが体現しようと、活動成果発表会では、お越しになるゲスト皆様に対して、手づくりの名札、パンフレット（日本語版?英語版）、そして、成城学園キャンパスに咲く水仙ともみじの押し花の栞（校章入り）を、クラス全員で協力をしあいながら作成し贈呈しました。

学生のコメント1

　本日はいよいよ発表ということで緊張はしていましたが、2ヶ月間の努力を披露するときという気持ちでわくわくしていました。私はゲストの皆様にパンフレットを配る係で、授業前に控え室に入ったら皆様が一斉に私の方を向いてくださり、パンフレットを配る時もご自分から取りに来てくださり、「遠足みたいで面白い」と言ってくださいました。実際に発表を行うと、ゲストの皆様やクラスメイトの温かい空気感や質問によって、とても楽しかったという気持ちが強いです。

学生のコメント2

　ホスピタリティについて理解に悩んだ時期もありました。最後の講評でゲストが、「ホスピタリティは心の距離」とおっしゃっていて、答えはこれではないかと思いました。ホスピタリティは、相手がいないと成り立ちません。また、何事も他人の支えがないとできません。他人と関わるために、心の距離を近づけるために「ホスピタリティ」を発揮すると考えました。だから、これからどのような職業に就いても、「ホスピタリティ」というのは切っても切り離せないものではないかと考えました。

学生のコメント3

　「ホスピタリティについて説明してください」と言われたら、初めは何も言えないような状態でしたが、この授業を通して「ホスピタリティとは相手の為に自分の時間を使うこと」だと考えるようになりました。そのためには、まず自分の時間にゆとりを持って、周りの人に気を配れるようにしたいです。そして、相手のことだけではなく自分も大切にしてあげて、ホスピタリティの輪の中に自分自身を組み込んであげたいと思いました。

正課科目「プロジェクト演習〈ホスピタリティとサービス〉」について

　本科目の目的は、学生が、キャリア形成における「無形の資産」の価値（身体的文化資本）をホスピタリティとサービスの視点から探り、自ら発揮することである。成城学園では建学の精神（育む人間像）として、次のように述べている²⁾。

　創立者、澤柳政太郎は、正直、真面目という道徳を身につけ、個人の「天分」を熱心かつ旺盛に伸ばした結果、知性?心情ゆたかで意志強固な「独立独行」の社会人になることを願いました。フェイアプレイの精神を持ち、美的生活を心がける「教養ある紳士淑女」になることと同時に、変わりゆく世界の中で「独創力」を持った奮起する人間となることをさらに期待しました。

　本科目では、ライフ?キャリア教育の中の、特に人格教育として、「ホスピタリティ」（おもてなし、思いやり、優しさ、歓待といった意味合い）について専門家?実践家より学び、自らも体現しながら、人としての在りようを追究していく（シラバスより抜粋?一部改編）。
　このようなホスピタリティ教育は、教育理念を継承していくキャリア教育の一つと位置付け、2017年度よりキャリア教育に実装している。

全チームのブースに毎回ゲストが巡回。学生は発表と他チーム参観を交代しながら体験。

参考：1)山崎繭加?竹内弘高（2016）『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか世界トップのビジネススクールが伝えたいビジネスの本質』ダイヤモンド社

2)成城学園　建学の精神

文責　勝又あずさ（成城大学　キャリアセンター）